Techログ ホットカーペットの分解

パナソニック製のホットカーペットが故障しました。10年使用したので寿命と思いますが、せっかくなので分解してみました。

よくある一般的な2畳タイプのホットカーペットです。

2010年製。100V 530Wです。電流は約5Aとなります。

分解して中の基盤を取り出しました。左上が電源スイッチ、上部真ん中が温度調整バー。右のLED、プッシュスイッチが、面切り替え用です。左下の白い箱が温度ヒューズ、真ん中に2つ並んだ黒い箱がリレーです。下に出ている白いコードはホットカーペットの電熱線へつながっています。右上にあるのはサーミスタです。電源スイッチの下にあるのはツェナーダイオードですね。あとは抵抗、コンデンサ、ダイオードが並んでいます。

裏側です。左側にICが取り付けてあります。銘板はNECとだけ読み取れますが、型番は不明です。

基盤だけでは回路がさっぱりわかりません。ただ、部品構成から、リレーをスイッチングさせて、電熱線の電流を制御して温度調整するような回路と考えます。リレーのスイッチングは電源制御ICによる制御を行なっているものと思います。この制御は、温度調整バーとサーミスタの入力によって、スイッチング頻度を調整して、電熱線に流れる電流量を制御していると思われます。

面切り替えのために電熱線とリレーは2セットの構成になっています。

温度リレーは保護用で、何らかの要因で電流が流れすぎて温度が上がり続けると、過温度を検知してヒューズを切るようになっていると思われます。

想像だけではよくわからないので、ネットでホットカーペットの回路を探してみました。パナソニックのものではありませんが、三洋電機の特許が見つかりました。

https://astamuse.com/ja/published/JP/No/1998038298

この回路の説明を見ると、電熱線(6)の電流はリレー(28)のスイッチングで制御している回路であることがわかります。リレーの制御は、トランジスタ(29)で行いますが、このトランジスタのON/OFFは温度検出回路(18)、基準回路(19)、比較回路(20)で行なっていて、温度がある温度より低ければ、このトランジスタをONして、リレーをCloseし、電熱線に電流を通す仕組みと思います。

電熱線に電流が流れている間は、温度抵抗(15),(16)にも電流が流れ、一定の温度以上になると、過温度保護として、温度ヒューズ(14)を溶断するようになっているようです。 この特許の肝は、2番目のトランジスタ(37)と、サイリスタ(26)と、31番の線(電熱線断線検知ライン)、39番の線(リレー接点の溶着検知ライン)で、この線があることにより、電熱線断線やリレー接点溶着の故障時にも、過温度を検知して温度ヒューズを溶断するような回路になっているようです。

この回路により、ホットカーペットの制御回路の基本構成としては、だいたい同様のものであるだろうということが想像されます。

今回、我が家のホットカーペットの故障状況としては、スイッチを入れると、ホットカーペットが今までにないくらいどんどん熱くなっていったかと思うと、いつの間にか電源が切れている、という状況でした。したがって、想像される故障モードとしては、リレー接点の溶着などの故障で、電熱線の電流が制御できなくなり、どんどん温度が上がっていき、過温度保護で温度ヒューズ飛ぶ、といった内容かもしれません。

もしかしたら、リレーの接点部分の導通具合を調査して、リレーを交換すれば治るのかもしれませんが、素人が勝手に修理するのは危険なので、おとなしく買い換えることにします。

ということで、パナソニック製の同モデルの最新型のホットカーペットを購入しました。

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